「口を開けようとすると顎の付け根が痛む」
「食事のたびにカクカク、ジャリジャリと音がして気になる」
「ある朝突然指が2本入らないほど口が開きにくくなった」
このような顎の不調は「顎関節症」のサインかもしれません。 顎関節症は決して珍しい病気ではなく、多くの方が経験する可能性のある身近な疾患です。 しかしその原因は非常に複雑で複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
「そのうち治るだろう」と軽く考えたり自己流のマッサージでごまかしたりしていると、症状が慢性化し日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。 私たち堺東Mデンタルクリニックでは患者様一人ひとりの症状だけでなく、日々の生活習慣や癖にも目を向け根本的な原因を探りながら、身体に負担の少ない治療法で改善を目指します。 原因不明の顎の不調はぜひ私たち専門家にご相談ください。
顎関節症とは特定の病気の名前ではなく「顎の関節」とその周りで顎を動かしている「筋肉(咀嚼筋)」に起こる様々な痛みや不調をまとめた総称です。 耳の少し前あたりを触りながら口を開け閉めすると動いているのが分かる部分、そこが顎関節です。 この大切な関節や筋肉に問題が生じると様々な症状が現れます。
以下のうち一つでも当てはまる症状があれば顎関節症の可能性があります。
顎の痛み(関節痛・筋肉痛)
口を開けたり閉じたりするときに顎の関節やこめかみ頬のあたりが痛む
硬いものを噛んだり大きな口を開けたりすると痛む
何もしていなくても顎の周りが重だるい感じがする
口が開きにくい(開口障害)
口をまっすぐ大きく開けられない
指を縦にして2本(約40mm)程度入らない
ある日突然口が開かなくなった
開けようとすると痛みでそれ以上開かない
関節の音(関節雑音)
口を開け閉めするときに「カクッ、コキッ」という音がする
あくびなどをしたときに「ジャリジャリ、ミシミシ」といった砂を擦るような音がする
音だけの症状で痛みや開口障害がなければ必ずしも治療が必要でない場合もあります
顎関節症はたった一つの原因で発症することは稀です。 噛み合わせの問題や生活習慣、精神的なストレスなど様々な要因が積み重なり、その人の許容量を超えたときに症状として現れます。
歯並びが乱れていたり高さの合わない被せ物が入っていたり、歯が抜けたまま放置されていたりすると噛み合わせのバランスが崩れ、顎の関節に不自然な力がかかり症状を引き起こすことがあります。
これが顎関節症の最も大きな原因の一つと考えられています。
TCH(歯列接触癖)
人は本来リラックスしているとき上下の歯は触れ合わずわずかな隙間が空いているのが正常です。 しかし無意識のうちに上下の歯を「持続的に接触させてしまう」癖をTCHと呼びます。 パソコン作業中や何かに集中しているとき、スマートホンを見ているときなどに気づかぬうちに歯を合わせていないでしょうか。 この癖は顎の筋肉を常に緊張させ疲労困憊させることで、痛みやだるさの大きな原因となります。
その他の癖
頬杖をつく、うつ伏せで寝る、食事の際に片側だけで噛む、猫背などの悪い姿勢、重い荷物をいつも同じ側で持つといった日常の何気ない行動も顎のバランスを崩す要因となります。
精神的なストレスは筋肉を緊張させるだけでなく、睡眠中の無意識の「歯ぎしり」や「食いしばり」を誘発します。 睡眠中の食いしばりは時に体重以上の非常に強い力で長時間にわたって顎の関節と筋肉にダメージを与え続けます。
「少し音がするだけだから」「たまに痛むだけだから」と顎のサインを見過ごさないでください。
放置することで症状はより深刻になる可能性があります。
堺東Mデンタルクリニックの顎関節症治療はいきなり歯を削ったり外科的な処置を行ったりすることはありません。 まずは患者様ご自身の身体への負担が少ない保存的で可逆的な(元に戻せる)治療から始めることを基本としています。
治療の第一歩は患者様のお話をじっくりとお伺いすることです。 いつからどのような症状があるのか、日々の生活習慣、お仕事の内容、ストレスの有無など様々な角度から原因を探るためのヒントをいただきます。 その後お口の中を拝見し触診によってどの筋肉に痛みがあるのか、関節の動きはスムーズかなどを確認します。 必要に応じてデンタルCTを撮影し顎の関節の骨に異常がないかを三次元的に詳細に評価します。
検査とカウンセリングから症状の大きな原因がTCHなどの生活習慣にあると判断した場合、まずはそのメカニズムを丁寧にご説明し「気づく」ことから始めていただきます。 ご自宅や職場の目につく場所に「歯を離す」と書いた付箋を貼るなど無意識の癖を意識化するための具体的な方法をアドバイスします。
「唇は閉じて歯は離し顔の筋肉の力を抜く」 この状態を意識するだけで症状が劇的に改善される方も少なくありません。 私たちと一緒に少しずつ楽になる方法を探していきましょう。
生活習慣の改善と並行して「スプリント」と呼ばれるマウスピース型の装置を用いた治療を行います。 患者様の歯型に合わせて作製した透明な装置を主に就寝中に装着していただきます。
スプリントには以下のような効果があります。
これはご自身の歯を一切削ることなく身体への負担を最小限に抑えながら、顎を安静な状態に保つための非常に有効で安全な治療法です。
スプリント療法などで痛みが和らいだ後、その根本原因が噛み合わせの不調和にある場合は次のステップへと進みます。 不適合な被せ物をやり直したり(審美治療)、歯並びそのものを改善したり(矯正治療)することで顎関節症が再発しない安定した口腔環境を築いていきます。 院内で各分野の専門家が連携し総合的な視点からあなたの健康を長期的にサポートできるのが当院の強みです。
原因不明の頭痛や肩こりに長年悩まされている方。 その不調はもしかしたら顎関節症が原因かもしれません。 堺東駅直結の当院へ「これって顎関節症かな?」と感じたらどうぞお気軽にご相談ください。